母星で出会ったある女性市長はとても若々しく二十代にしか見えなかったが、実際の年齢は200歳だった。彼女が言うには、自分たちにはエゴがないため地球のように競争で心身がぼろぼろになることはなく、さらに医療が発達していること、星の寒暖差が少なく体への負担が少ないことで、地球人よりずっと長生きなのだそうだ。
彼らは長大な距離を移動するだけでなく過去に時間旅行することもできる。地球には過去の死者と会話できる霊能者がいるが、彼らはその仕組を科学的に解明してアカシックレコードに入ることで過去にタイムトラベルする技術を開発したのだという。光速以上の速度での移動でも同様のことを書いたが、どうやらこれらの技術を手に入れる鍵は現在オカルトとして片付けられる特殊能力者の能力を科学的に研究することにあるらしい。もちろんのことながら彼らには未来に行く技術もある。
理想的なのは環境だけではない。彼らが生活に必要なものは工場で生産された後配送センターから各家庭に無料で配られる。しかも物は全て必要な量生産され、地球のように過剰生産して資源を浪費することはない。
さて、そのように理想的な彼らがなぜ我々の前に堂々と現れないのかは当然生じる疑問だろう。その優れた技術や理想像を直接地球人に説けばよいではないかと。これに対し、彼らは地球人が疑い深い種族であり、国の要人に接触しても彼らを受け入れないばかりかその技術だけを得ようとしたり、彼らを監禁して人体実験をしかねないからそういうことはしないと言う。実にもっともで、よくわかってらっしゃると言うしかない。貪欲な地球人はまず間違いなく軍事技術に利用しようとするだろう。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、著者はいよいよ地球に帰ることになった。その途中宇宙船はある惑星に立ち寄った。その星は核戦争によって全都市が破壊されたばかりか全生命が死滅し死の星と化した星であった。今なお放射線の影響が強くて近づくことができない。そして、貨幣制度のためにエゴの塊と化した地球人にも同様の運命が待っている。その運命を変えることは困難ではない。地球人が競争意識を捨て他者を愛する意識になることで争いのない明るい未来を築くことができると彼らは言う。こうして著者のプレアデス訪問は終了した。


プレアデス星訪問記
上平 剛史
たま出版
2009-03